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建デポマガジン

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パーチクルボードとは?特徴・メリット・デメリットから最適な活用法まで徹底解説【現場監督必見】

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建設現場で資材選定に迷ったことはありませんか?

コスト削減と品質確保を両立させたい現場監督の方にとって、パーチクルボードは注目すべき建材の一つです。

しかし「どんな特徴があるのか」「どの現場で使うべきか」「他の木質ボードとの違いは何か」など、疑問をお持ちの方も多いでしょう。

本記事では、パーチクルボードの基礎知識から実務で役立つ活用法まで、現場監督の視点で徹底解説します。

パーチクルボード(パーティクルボード)とは?

パーチクルボードの定義と基本構造

パーチクルボード(Particle Board)とは、木材の小片(パーティクル、チップ)を接着剤と混合し、熱と圧力で成形して作られる板状の木質材料です。
JIS A 5908(パーティクルボード)によって規格が定められており、その均一な品質と安定した性能が特徴です。
一般的には「PB」と略されることもあります。

その基本構造は、大小さまざまな木材チップがランダムに配置され、接着剤で強固に結合されています。
表面は比較的平滑で、内部は均質な密度を持つため、さまざまな用途で利用されています。

パーチクルボードの素材と製造工程

パーチクルボードの主な素材は、製材工場から出る端材、間伐材、廃木材、さらには農業廃棄物(例:稲わら)など、これまで利用されにくかった資源です。
これらの木材チップを細かく砕き、乾燥させた後、合成樹脂接着剤(ユリア樹脂、メラミン樹脂など)と混合します。
その後、高温・高圧でプレス成形することで、一枚の板として製品化されます。

この製造工程は、木材資源の有効活用という点で環境負荷が低く、SDGsの観点からも注目されています。

パーチクルボードの主な特徴

均一な品質と寸法安定性: 天然木材のような木目や節がなく、板全体で均一な強度と密度を持ちます。
湿度変化による伸縮も比較的少ないため、寸法安定性に優れています。

  • 表面の平滑性…表面が滑らかで、塗装や化粧板(メラミン化粧板、プリント合板など)の貼り付けに適しています。
  • 加工のしやすさ…切断、穴あけ、面取りなどの加工が比較的容易です。
  • コストパフォーマンス…端材などを主原料とするため、合板やMDFと比較して安価に入手できる傾向があります。

パーチクルボードのメリット

コストパフォーマンスの高さ

パーチクルボードの最大の魅力の一つは、その優れたコストパフォーマンスです。
端材や廃材を主原料とするため、原材料費を抑えることができ、結果として製品価格も比較的安価に設定されています。

建設現場において、資材コストは全体の予算に大きく影響するため、パーチクルボードはコスト削減に貢献する重要な選択肢となります。

加工性・施工性の良さ

パーチクルボードは、切断や穴あけといった加工が容易です。

電動工具での作業性が高く、現場での寸法調整や複雑な形状への加工もスムーズに行えます。
また、均一な素材であるため、切断面が比較的きれいに仕上がり、施工効率の向上に繋がります。

サイズの自由度と規格の豊富さ

パーチクルボードは、製造工程上、さまざまな厚みやサイズで生産することが可能です。
一般的な建材サイズはもちろん、特注サイズにも対応しやすいのが特徴です。

これにより、現場の用途や設計に合わせて最適な寸法の材料を選定でき、無駄を減らし、効率的な資材利用が実現します。

環境配慮(廃材利用・SDGs対応)

木材の端材やリサイクル材を主原料とすることで、森林資源の保護に貢献し、廃棄物の削減にも繋がります。

これは、SDGs(持続可能な開発目標)における「つくる責任 つかう責任」や「陸の豊かさも守ろう」といった目標達成に寄与するものです。
環境負荷低減への意識が高まる現代において、パーチクルボードの採用は企業の環境配慮への取り組みを示すことにもなります。

表面の平滑性と仕上げのしやすさ

パーチクルボードの表面は非常に平滑で均質であるため、塗装や化粧シート、クロスなどを直接貼る下地材として非常に優れています。

美しい仕上がりを求める内装工事において、下地処理の手間を軽減し、最終的な品質向上に貢献します。

パーチクルボードのデメリットと注意点

水・湿気に対する弱さ

パーチクルボードは、木材チップと接着剤で構成されているため、水や湿気に非常に弱いという性質があります。
吸水すると膨張し、強度低下や変形、表面の剥離などを引き起こす可能性があります。

水回りの使用や、湿度の高い場所での保管・施工には十分な防湿対策が必要です。耐水性の高いタイプもありますが、過度な湿気は避けるべきです。

強度面での制約

合板と比較すると、曲げ強度やせん断強度が低い傾向にあります。
特に、厚みが薄いパーチクルボードは、大きな荷重がかかる場所や、構造的な強度を必要とする部分には不向きです。

用途に応じて適切な厚みや補強材の併用を検討する必要があります。

釘・ネジの保持力の課題

パーチクルボードは、木材チップを固めた構造であるため、釘やネジを打ち込むとチップが崩れやすく、保持力が弱いというデメリットがあります。
特に同じ場所に何度も打ち直したり、端部に打ち込んだりすると、抜けやすくなることがあります。

ビスを使用する際は、下穴を開ける、木ねじを使用する、接着剤を併用するなどの工夫が必要です。
また、一度抜けたビス穴は再利用が難しい場合が多いです。

経年劣化への対策

長期間にわたる使用や、不適切な環境下での使用は、パーチクルボードの劣化を早める可能性があります。
特に湿気や温度変化の激しい場所では、接着剤の劣化や素材の膨張・収縮が進みやすくなります。

適切な環境での使用と、定期的な点検が重要です。

現場での取り扱い注意事項

運搬・保管: 水濡れや直射日光を避け、平坦な場所に水平に保管してください。角や端部が欠けやすいため、丁寧な取り扱いが必要です。

  • 切断時の粉塵…切断時には細かい木材粉塵が発生します。作業時は防塵マスクや保護メガネを着用し、換気を十分に行ってください。
  • 廃棄…産業廃棄物として適切に処理する必要があります。接着剤が含まれているため、一般の木材とは異なる処理区分になる場合があります。

建設現場でのパーチクルボードの活用法

床下地材としての使用

パーチクルボードは、その平滑性と寸法安定性から、フローリングやクッションフロア、カーペットなどの床仕上げ材の下地として広く利用されています。

特に、二重床システムにおける置き床の構成材として、優れた遮音性も発揮します。
厚みのあるパーチクルボードは、床鳴りの防止や歩行感の向上にも寄与します。

内装下地材・壁材としての活用

クロス貼りや化粧板貼りの下地材として、パーチクルボードは非常に適しています。
表面が均一で平滑なため、仕上げ材が美しく仕上がります。

また、遮音性や断熱性を付加したい壁の下地としても活用されることがあります。

天井材としての施工例

天井下地材としても使用されます。
特に、システム天井や化粧天井板の下地として、その加工性と施工性の良さが活かされます。
平滑な天井面を形成しやすく、照明器具や空調設備の取り付け下地としても機能します。

造作家具・建具への利用

工場で加工される造作家具や収納棚、カウンターの天板、ドアの芯材などにもパーチクルボードが使われます。
特に、メラミン化粧板を貼ることで、耐久性や意匠性を高めた家具製作に適しています。
均一な素材であるため、安定した品質の家具を効率的に生産できます。

仮設材・養生材としての活用

建設現場での仮囲い、作業台の天板、通路の養生板、一時的な間仕切りなど、仮設的な用途にもパーチクルボードは重宝されます。
比較的、安価で加工しやすいため、現場での急なニーズにも対応しやすいのがメリットです。

ただし、屋外での長期使用や水濡れには注意が必要です。

遮音材・吸音材としての用途

パーチクルボードは密度が高いため、ある程度の遮音性能を持っています。
単体での使用はもちろん、石膏ボードや吸音材と組み合わせることで、より高い遮音・吸音効果を発揮します。
特に、集合住宅の床下地や壁の防音対策に用いられることがあります。

まとめ

パーチクルボードは、その優れたコストパフォーマンス、加工性、そして環境配慮の側面から、建設現場において非常に汎用性の高い建材です。
水・湿気への弱さや強度面での制約といったデメリットも存在しますが、それらを理解し、適切な場所で活用することで、現場の品質向上とコスト削減に大きく貢献します。

現場監督の皆様には、本記事で解説した特徴と活用法を参考に、パーチクルボードを賢く資材選定の一つの選択肢としてご検討いただければ幸いです。
他の木質ボードとの特性を比較検討し、最適な建材を選び、安全で効率的な現場運営を実現しましょう。


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