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建デポマガジン

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シーリング材とは?種類ごとの使い分けやシール材、コーキングとの違いを解説!

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「シーリング材」「コーキング材」「シール材」
―建設現場でよく耳にするこれらの言葉、実は混同して使われているケースが少なくありません。

現場監督として適切な材料を選定するためには、それぞれの違いや特性を正しく理解しておくことが不可欠です。
間違った種類のシーリング材を使用すると、施工後すぐに剥離・ひび割れが発生し、雨漏りや建物の劣化につながるリスクがあります。

本記事では、シーリング材の基本的な定義から、コーキング材・シール材との違い、主要な種類と特徴、そして用途までをわかりやすく解説します。

シーリング材とは?

シーリング材の基本的な定義と役割

シーリング材とは、建築物の部材間の隙間や目地(継ぎ目)に充填し、防水性、気密性、防音性、耐震性などの機能を付与するためのペースト状または液状の材料の総称です。
主に、雨水や外気の侵入を防ぎ、建物の耐久性や快適性を維持する重要な役割を担っています。

JIS A 5758(建築用シーリング材)では、「建築物の目地、隙間などに充填して、防水性、気密性などを保持する目的で用いられる材料」と定義されています。

建設現場におけるシーリング材の主な役割

建設現場においてシーリング材が果たす役割は多岐にわたります。

  • 防水・止水:外壁の目地やサッシ周りから雨水が浸入するのを防ぎ、雨漏りや内部結露を防止します。
  • 気密性の確保:部材間の隙間を埋め、外気の侵入や室内の空気漏れを防ぎ、冷暖房効率の向上や省エネルギー化に貢献します。
  • 振動・変形への追従:地震や風圧、温度変化による建物の動きや部材の膨張・収縮に対し、シーリング材が追従することで、ひび割れや破損を防ぎます。
  • 防音:隙間を埋めることで、外部からの騒音侵入や内部からの音漏れを軽減し、居住環境の快適性を高めます。
  • 美観の維持:部材間の隙間をきれいに埋めることで、建物の外観を整え、美観を向上させます。

シーリング材が使用される主な箇所

シーリング材は、建物のさまざまな箇所で使用されています。

  • 外壁目地:サイディングボード、ALCパネル、コンクリートパネルなどの目地。
  • サッシ周り:窓枠やドア枠と躯体との取り合い部。
  • 屋根材の継ぎ目:瓦やスレート、金属屋根などの重なり部分や継ぎ目。
  • 配管・ダクト貫通部:給排水管や換気ダクトが壁や床を貫通する部分。
  • 水回り:浴室、洗面台、キッチンなどの水がかりやすい箇所の隙間。
  • 内装目地:壁と天井、壁と床の取り合い、巾木と壁の間など。

シーリング材・コーキング材・シール材の違い

現場ではしばしば混同されがちなこれらの用語ですが、それぞれに意味合いや歴史的背景があります。

「シーリング材」と「コーキング材」の違い

かつては、JIS規格において「コーキング材」と「シーリング材」は異なる材料として分類されていました。
一般的に、油性コーキング材など、比較的粘度が高く、硬化後に弾力性の低いものを「コーキング材」と呼び、合成樹脂系の弾力性のあるものを「シーリング材」と呼ぶ傾向がありました。

しかし、1999年にJIS規格が改正され、両者は「シーリング材」として統一されました。
現在では「シーリング材」がより広範な意味を持つ総称として使われています。
ただし、現場では慣習的に、粘度の高いものや古いタイプの材料を指して「コーキング材」と呼ぶことも少なくありません。

「シール材」とはどういう意味か

「シール材」は、「密封する材料」という意味を持つ最も広義な言葉です。
シーリング材もシール材の一種ですが、ガスケットやパッキン、Oリングなど、さまざまな形状や用途の「密封材」全般を指します。
建築分野に限らず、自動車、機械、配管など、あらゆる産業で使われる密封用の材料を総称する言葉です。

つまり、シーリング材は数あるシール材の中の「建築物の目地や隙間に充填して防水性・気密性を保持するペースト状または液状の材料」という位置づけになります。

現場での呼び方の実態と正しい使い分け

現場では、「コーキング打っておいて」「シールを打つ」といった表現が日常的に使われています。
これらの言葉は、多くの場合「シーリング材を充填する」という意味で用いられており、厳密な区別なく使われているのが実情です。

しかし、設計図書や仕様書においては、JIS規格に準拠した「シーリング材」という表記が用いられるのが一般的です。
現場監督としては、発注や品質管理の際には「シーリング材」という用語を使用し、どの種類のシーリング材を指しているのかを明確にすることが重要です。

シーリング材の主な種類と特徴

シーリング材には様々な種類があり、それぞれに異なる特性を持っています。

適切な材料を選ぶためには、各種類のメリット・デメリットを理解しておくことが不可欠です。

シリコーン系シーリング材

特徴

非常に優れた耐候性、耐熱性、耐寒性、撥水性、密着性を持ちます。硬化後はゴムのような弾力性があります。

デメリット

塗料が密着しないため、上から塗装ができません(ノンブリード型でも、塗膜剥離のリスクがあります)。
油分が染み出す「ブリード現象」により、周辺を汚染する可能性があります(ノンブリード型で対策)。
プライマーが必要な場合が多いです。

主な用途

ガラス周り、浴室・キッチンなどの水回り、金属部材の目地など、塗装が不要な箇所。

変成シリコーン系シーリング材

特徴

シリコーン系に匹敵する優れた耐候性を持ち、さらに塗装が可能です。
プライマーなしで様々な被着体に良好な密着性を示し、ノンブリードタイプが主流です。
汎用性が高く、多くの建築現場で採用されています。

デメリット

シリコーン系に比べると耐熱性や耐薬品性はやや劣ります。
価格が比較的、高めです。

主な用途

外壁目地(サイディング、ALC)、サッシ周り、屋根材の継ぎ目、塗装を必要とする箇所全般。

ポリウレタン系シーリング材

特徴

高い弾力性と耐久性を持ち、塗装が可能です。
コンクリートやモルタルへの密着性が良好です。

デメリット

紫外線に弱いため、必ず塗装で保護する必要があります。
硬化時に収縮する傾向があります。

主な用途

コンクリート・モルタル目地、ALCパネル目地、PC板目地など、塗装仕上げが前提となる箇所。

ポリサルファイド系シーリング材

特徴

耐油性、耐薬品性、耐候性に優れ、耐久性が高いです。

デメリット

独特の臭気があり、硬化に時間がかかります。
塗装ができません。近年では建築分野での使用は減少傾向にあります。

主な用途

ガソリンスタンドの床、工場床、地下ピット、貯水槽など、特殊な耐性が必要な箇所。

アクリル系シーリング材

特徴

水性で扱いやすく、安価です。
塗装が可能です。

デメリット

耐久性や耐候性が低く、硬化時の収縮が大きいのが特徴です。
屋外での使用には不向きとされています。

主な用途

内装目地、ALCパネルの仮目地、塗装下地の調整材など、主に屋内や一時的な用途。

ブチルゴム系シーリング材

特徴

非硬化型(半硬化型)で、常に粘着性を保ちます。
気密性・防水性に優れています。

デメリット

耐候性や耐久性が低く、塗装はできません。
硬化しないため、高い追従性が必要な箇所には不向きです。

主な用途

仮防水、バックアップ材、シート防水の重ね貼り、ダクトや配管の気密保持など。

シーリング材の種類ごとの使い分けポイント

適切なシーリング材を選定するためには、「どこに使うか」「何に使うか」「どう仕上げるか」といった複数の視点から検討する必要があります。

使用部位別の選び方(外壁・屋根・窓周り・浴室など)

外壁目地(サイディング、ALCなど)

  • 変成シリコーン系:最も汎用性が高く、耐候性・耐久性に優れ、塗装も可能です。新築・改修問わず広く使われます。
  • ポリウレタン系:コンクリートやモルタル、ALC目地に適しており、塗装を前提とする場合に選択されます。

屋根材の継ぎ目

  • 変成シリコーン系:高い耐候性と密着性が求められるため、変成シリコーン系が適しています。

窓周り・サッシ周り

  • 変成シリコーン系:塗装仕上げが必要な場合や、様々な素材に密着させたい場合に最適です。
  • シリコーン系:塗装が不要で、ガラスやアルミサッシとの密着性を重視する場合に選択されます(ノンブリード型推奨)。

浴室・キッチンなどの水回り

  • シリコーン系:高い撥水性と防カビ性能を持つタイプが最適です。塗装は不要な箇所での使用が前提です。

内装目地

  • アクリル系:安価で塗装可能、水性で扱いやすいことから、屋内の軽微な目地や下地調整に使用されます。
  • 変成シリコーン系:耐久性や密着性を重視する内装目地にも使用可能です。

被着体の素材別の選び方(コンクリート・金属・ガラス・木材など)

  • コンクリート・モルタル:ポリウレタン系、変成シリコーン系
  • サイディング・ALC:変成シリコーン系、ポリウレタン系
  • 金属(アルミ、ステンレスなど):変成シリコーン系、シリコーン系
  • ガラス:シリコーン系、変成シリコーン系
  • 木材:変成シリコーン系、アクリル系
  • 塩ビ鋼板・フッ素鋼板:専用プライマーと変成シリコーン系(メーカー推奨品を確認)

※被着体によっては、適切なプライマー(下塗り材)の使用が不可欠です。メーカーの推奨するプライマーを必ず使用してください。

塗装仕上げの有無による選び方

塗装仕上げをする場合

  • 変成シリコーン系:最も推奨されます。塗装性に優れ、塗料の密着不良やブリード現象のリスクが低いです。
  • ポリウレタン系:塗装が必須のタイプです。紫外線劣化を防ぐために必ず塗装してください。
  • アクリル系:屋内や一時的な使用であれば塗装可能です。

塗装仕上げをしない場合

  • シリコーン系:耐候性が非常に高く、塗装が不要な箇所に適しています。ノンブリード型を選ぶことで、周辺部材の汚染を防げます。

屋内・屋外環境による選び方

屋外

  • 耐候性、耐久性重視:変成シリコーン系、シリコーン系、ポリウレタン系(要塗装)
  • 紫外線、雨水、温度変化に強い材料を選びます。

屋内

  • 低臭性、塗装性重視:変成シリコーン系、アクリル系
  • 居住空間では、臭気が少ないものが好まれます。浴室など水回りには防カビ剤入りシリコーン系。

シーリング材に関するFAQ

Q1.シリコーン系と変成シリコーン系はどう違いますか?

A1.最も大きな違いは「塗装の可否」です。

  • シリコーン系:塗料が密着しないため、塗装ができません。耐熱性・耐水性・撥水性に優れ、ガラス周りや水回りで塗装が不要な箇所に適しています。
  • 変成シリコーン系:塗装が可能です。シリコーン系に匹敵する耐候性を持ちながら、多くの被着体にプライマーなしで密着し、汎用性が高いです。外壁目地など、塗装を伴う箇所で広く使用されます。

また、シリコーン系は「ブリード現象」を起こすことがありますが、変成シリコーン系はノンブリードタイプが主流です。

Q2.外壁に使うシーリング材はどれがおすすめですか?

A2.外壁の種類や仕上げによって異なりますが、変成シリコーン系シーリング材が最もおすすめです。

  • サイディングボード、ALCパネル:変成シリコーン系が最も一般的で、高い耐候性、耐久性、塗装性、密着性を兼ね備えています。
  • コンクリート・モルタル:塗装仕上げをする場合はポリウレタン系も適していますが、変成シリコーン系も使用可能です。

外壁は常に紫外線や雨風にさらされるため、耐候性と耐久性が非常に重要です。

また、外壁塗装を行う場合は、シーリング材も塗装可能なものを選ぶ必要があります。

Q3.シーリング材の耐用年数はどのくらいですか?

A3.シーリング材の耐用年数は、その種類、施工箇所の環境(日当たり、雨当たり)、施工品質によって大きく異なります。

  • シリコーン系、変成シリコーン系:一般的に10~15年程度。
  • ポリウレタン系:塗装で保護されていれば10~15年程度。
  • アクリル系:5年程度と比較的短いです。

耐用年数が過ぎると、ひび割れ、硬化、剥離などの劣化症状が現れ、防水性や気密性が損なわれます。
定期的な点検(5年~10年を目安)を行い、劣化が見られる場合は早めの打ち替えや増し打ちなどの補修が必要です。

まとめ

現場監督として、建物の品質と耐久性を確保するためには、シーリング材の選定は極めて重要です。
誤った材料選定は、施工後のトラブルやメンテナンスコストの増大に直結します。
今回ご紹介した情報を参考に、各シーリング材の特性を理解し、現場の状況に最適な材料を選定できるよう努めてください。

もし選定に迷う場合は、必ず専門メーカーの技術資料を参照したり、専門家やメーカーの担当者に相談したりすることをおすすめします。
適切なシーリング材の選定と確実な施工が、建物の長期的な安全性と快適性を支える礎となります。

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