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建デポマガジン

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軽天(軽天材)とは?種類やLGSとの違いをわかりやすく解説

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建設現場において、軽量で加工しやすく、施工効率を高める素材として「軽天(軽天材)」が注目されています。
特に、内装工事やリフォームにおいて、天井や壁の下地材として幅広く使われている軽天ですが、「そもそも軽天とは何か?」と基本から知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。

現在の日本では、現場の人手不足が課題となる中、省力化や工期短縮を実現するための建材選びがより重要になっています。
軽天材は、まさにそのニーズに応える建材として、建設業界での活用が進んでいるのです。

この記事では、現場監督の皆様を対象に、軽天の基本的な知識から種類、LGS(軽量鉄骨)との違い、そして実際の施工方法までを、わかりやすく丁寧に解説いたします。

軽天(軽天材)とは?

軽天(けいてん)とは、建設現場において主に内装の下地材として使用される「軽量鉄骨」のことを指します。
特に、天井や壁の骨組みを形成するために用いられ、木材に代わる素材として近年注目が高まっています。

軽天材は、薄く加工された鋼板を材料とするため、非常に軽量でありながらも十分な強度を持ち、耐火性・防虫性にも優れています。
木材と比較して反りや歪みが起こりにくく、均一な品質を保ちやすいため、施工の精度と効率を高めることができます。

また、寸法が規格化されているため、現場での加工がしやすく、省力化・工期短縮につながるのも大きなメリットです。
こうした特徴から、軽天はオフィスビル、商業施設、住宅リフォームなど、幅広い現場で導入が進んでいます。

軽天(軽天材)とLGSとの違い

「軽天」と「LGS」は厳密には同じ意味で用いられることが多いですが、建設現場では「軽天」が通称として浸透しています。
したがって、「軽天工事」と言えば、LGSを用いた天井・壁の骨組みを組み立てる作業全体を指すことが一般的です。

「軽天」は通称、「LGS」は正式名称

まず、軽天とは業界内で用いられる通称で、実際の材質は「軽量鉄骨」であり、これを英語で表したのが「Light Gauge Steel:LGS」です。
つまり、LGSが正式な技術用語であり、軽天はそれを現場でわかりやすく呼んでいるに過ぎません。
したがって、軽天とLGSは基本的に同一のものを指しており、素材や用途に違いはありません。

軽天が使用される主な場面

軽天工事には、目的に応じたさまざまな種類の部材が使われています。
天井と壁では使用される材料が異なり、それぞれが役割分担を担うことで、強固で効率的な下地構造を形成しています。

ここでは、天井と壁・間仕切り工事に使われる代表的な軽天材についてご紹介します。

天井工事で使用される軽天材の種類

アンカー

天井の骨組みを固定するために、コンクリートに打ち込む金具です。
吊りボルトの土台となるため、安全性に直結する重要なパーツです。

吊りボルト・ナット

アンカーに取り付けて、天井から軽天材を吊るすための長いボルトです。
高さ調整が可能で、天井のレベルを正確に出すために使われます。

ハンガー

吊りボルトに取り付けて、野縁受け(Cバー)を支える金具です。
施工中に安定性を保つ重要な役割を担います。

野縁受け(Cバー、Cチャン)

天井の骨組みの枠組み部分に使用される軽天材です。
Mバー(野縁)を支えるベースになります。

野縁(Mバー)

石膏ボードなどの仕上げ材を取り付けるための、最終的な天井下地となる部材です。

クリップ・ジョイント

CバーやMバー同士を連結・固定するために使われる部品です。
工具なしで簡単に接続でき、作業効率を高めます。

壁や間仕切り工事で使用される軽天材の種類

ランナー

床や天井などに固定するレールのような部材で、スタッドの受けとなります。
施工のベースラインを決めるパーツです。

スタッド

壁の縦方向に設置される柱の役割を担う部材で、石膏ボードを直接取り付けることもあります。

スペーサー

スタッド間の距離を一定に保つための補助具で、仕上がりの精度を向上させます。

振れ止め

壁の揺れやたわみを抑えるための補強部材です。
安全性と耐久性を確保する上で欠かせません。

軽天(軽天材)の種類と役割

軽天材は、主に天井や壁の下地材として広く利用されています。
特に、ビルやマンション、商業施設、公共施設といった鉄骨・鉄筋コンクリート造の建物においては、内装工事に欠かせない存在となっています。

天井の下地としての活用

天井部分では、ボード材を張るための骨組みとして軽天が使用されます。
天井高のレベル調整がしやすく、軽量で取り扱いも簡単なため、施工時間を大幅に短縮できます。
また、吊り天井や段差のある天井にも柔軟に対応できる点が評価されています。

壁の下地・間仕切りとしての活用

軽天は、オフィスや店舗などの間仕切り壁の構造体としても活用されています。
ランナーやスタッドと呼ばれる軽天材を使い、簡易かつスピーディーに間仕切りを設置することが可能です。
必要に応じて、配線や配管も組み込みやすく、リフォームやレイアウト変更にも適しています。

特殊空間での使用

防音室、クリーンルーム、耐火性が求められるエリアなど、特殊な性能が必要とされる空間にも軽天は適しています。

たとえば、石膏ボードや吸音材と組み合わせることで、軽天材の構造体としての利便性を保ちつつ、空間ごとのニーズに応じた仕上げが可能となります。

軽天(軽天材)の施工手順

軽天工事は、正確な寸法と手順が求められる作業です。
特に天井と壁では、使用する材料や施工手順が異なるため、それぞれの工程を正しく理解することが重要です。

以下で、天井と壁それぞれの施工手順を簡潔にまとめます。

天井の施工手順

①レベル(高さ)を出す

まずは天井の高さを基準線として決定し、水平ライン(レベル)を墨出ししておきます。
この作業が仕上がりの精度に直結するため、丁寧な計測が必要です。

②ボルトを吊る

コンクリートスラブにアンカーを打ち込み、そこに吊りボルトを設置します。
これにより、天井の軽天材を吊り下げる構造を形成します。

③野縁受け(Cバー)を取り付ける

吊りボルトにハンガーを取り付け、そこにCバー(野縁受け)を水平に設置します。
Cバーは、天井全体の枠組みとなる重要なパーツです。

④野縁(Mバー)を渡す

CバーにMバー(野縁)を取り付けていきます。
Mバーは石膏ボードなどの仕上げ材を固定するための支持材です。
等間隔で設置し、全体のバランスを確認します。

⑤レベルを最終確認

全体の水平状態を再度確認し、必要に応じてボルトの長さを調整します。
精度が確保できたら、ボード施工に進む準備が完了です。

壁・間仕切りの施工手順

①墨出しを行う

設計図に基づいて、床と天井に壁の設置ラインを正確に墨出しします。
壁の位置を明確にする基準となります。

②ランナーを固定する

墨出ししたラインに沿って、床と天井にランナーをアンカーやビスで固定します。
ランナーはスタッドの受けとなるベース部材です。

③スタッドを設置する

ランナーに垂直にスタッドをはめ込み、一定間隔(通常は303mmまたは455mm)で配置します。
必要に応じてスペーサーや振れ止めを使い、全体の安定性と耐震性を確保します。

施工後には、石膏ボードなどの仕上げ材を取り付けることで、軽天の骨組みは見えなくなりますが、その正確性が仕上がりの質に大きく影響します。

まとめ

軽天(軽天材)は、軽量かつ高い加工性・耐火性を備えた建材として、現場の施工効率を大きく向上させる重要な素材です。
特に、天井や壁の下地材としての用途では、精度の高い施工が求められる現在の建設現場において、その活用価値はますます高まっています。
現場監督としての判断力と選定眼が問われる今、軽天材の基礎をしっかり押さえ、より良い現場づくりに役立てていただければ幸いです。

軽天工事に使用する資材や専用工具は、信頼できる業者から一括で調達することで、管理コストの削減や納期短縮にもつながります。
そうしたニーズには、建設現場向けに特化した建デポの法人向けサービスなどの活用が効果的です。

建材・資材・工具などの販売サイトはこちら
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